コニカミノルタがカメラ事業から撤退する。
 
写真を撮る者にとっては気が気でない。
 
デジタルではなくてアナログだからなおさらである。
 
撤退する予兆はあった。確か2002年だったと思う。
 
コニカ製品のフィルムが量販店で一番安かった。
 
通常は高いポジフィルムさえも10本パックで2100円という激安。
 
「森羅」という名前だったのを記憶している。
 
その当時は安いフィルムを好んで使い写真を勉強していた。
 
在庫処分品だから安いわけで、今日につながる。
 
銀塩カメラ、フィルムを使う人達が減少するのでは会社としては成立しない。
 
会社としては当然の考えなのだが、ユーザーとしては不安や恐怖がある。
 
大袈裟に言えば、大多数か否かに世の中がなってしまうのではないか。
 
デジタル派かアナログ派だったら、デジタル派が大多数の為にアナログ派が自分の意志とは関係なくデジタル派に飲み込まれてしまう。
 
少数派はますます生きていくことが難しくなってしまう。
 
僕自身が使用しているのは、ポジフィルムである。
 
モノクロフィルムも使用しているが、デジタルカメラは使用していない。
 
将来を思えば、「絶対にデジタルは使用しない」とは断言できない。
 
E6現像やダイレクトプリントのできる会社がなくなれば、コストが高くなりすぎれば、自分の意志とは関係なく方向性を変えるかもしれない。
 
やっぱりこだわりは失いたくないのだが。
 
アジアの色、匂い、雰囲気はフィルムの方が感じられる。
 
デジタルはどこか味気なく薄っぺらくもしくは鮮やかすぎる。
 
色の深みも足りないのだろう。
 
自分の歩いた現実のアジアがデジタルだと上手く表現できない気がする。
 
デジタルだと暗部が失われるからだと思う。
 
このプログの写真でも原板の暗部がスキャナーを通すことで失われる。
 
例えば逞しいと思われるベトナムの女性の顔が真っ暗になってしまった。
 
ポジフィルム原版の良さがない。
 
その写真を修正することはまた違うと思うのでそのままにしているが。
 
また話しが大きくなるが、何でも暗部というのは大切だと思う。
 
例えば人間でも、明るいだけが人間じゃない。
 
喜怒哀楽や自分が嫌いなもしくは好きな隠したい部分、暗部があるのだと思う。
 
何でも光と影は大切なのである。